平井社長のインタビュー2008


SCE 平井一夫社長インタビュー-「PS3 10年計画」は順調、今年は「ノンゲーム」が大切
タイトルだけ見ると「こ、こ、コノヤロー!」と絶叫したくなるのですが、
読めば読む程考えさせられる内容になっていました。

平井:日本はPS3オンリーですから、あまり影響はありません。海外においてはマルチ展開になったのは、おっしゃるとおりです。

 もちろん、全く影響がない、とはいいません。影響はまちがいなくあります。しかしそれも、ご心配いただいているほどではないかもしれない、と思います。

FF13について。
スクエニ自身の信用の無さとMSの資金力により
「どうせ日本でも出んだろ?」という意見しか(俺含め)見かけませんが、
インタビューの時に文字では伝わりきらないぐらいの強い調子で否定していたようで、
開発が長引いてグダグダにでもならなければ宣言通りの展開にもなるんでしょうかね。
(日本語の素材とリリース環境が整っていて「日本だけハブ」ってのも理解しかねますが)

後半に関しては「FF13の影響力が分散されてもそんなに痛くない」って事なんでしょうけど、
これは受け取り方によってだいぶ印象が変わってしまうな。
ホントにそうなのかもしれないし、ともすれば負け惜しみと取られてしまうかもしれません。

…ま、よしんば日本で360版が出たとしても、販売本数はPS3版の何十分の一だとは思います。
このインタビューが日本だけに向けられているならそうなのかな、とは。

一年たったところで一喜一憂するのではなく、10年のライフサイクルの中でなにをすべきなのかを見極め、着実に実行し、SCEなり平井なりが「ああ、ちゃんとやってるね」とユーザーの皆様からご信頼をいただくということが、一番大切なことなのではないか、と思っています。

今回のインタビューで一番気になったのがここの部分。
俺自身、そしてこのサイトでは、現在PS3に大きく偏ったスタンスを取っていますが、
全ては「本当に10年やめずに進み続けてくれるのか?」という疑念に帰結しています。

PS3自体に魅力があるからこその応援である事は間違い無いんですけど(主にノンゲームで)、
遥か遠くにWii、だいぶ先に360がいるというゲーム業界的に苦しい立場の中、
「儲からないから」という理由で不採算部門をばっさり切り落とすストリンガーが、
「他のと比べて売れてないから」という理由で妙なてこ入れ…
新ファームの開発を縮小したり、機能の復活や追加をやめさせるような事をしないか。
「一つずつ着実にやっていく」事が、今の体制で許されるのかが不透明なのよね。

任天堂(Wii)は放っておいても王者の座を進み続けるでしょうし、
MS(360)は放っておいてもどこからともなく金が湧き出て来るから終わる事はないでしょ。
PS3はこれらと違って、いつ切り捨てられるかが分からないという大きな不安があるのです。
いつ倒れるか分からん病弱な末っ子をハラハラしながら支える感覚とでも言おうか。

俺はストリンガーとソニーがそういう方面で信用できないため、せめてSCEが頑張って、
ソニーグループ内の立場を安泰とできるだけの結果を出して欲しいわけです。
トップが獲れなきゃダメなのか、それとも収益さえ見込めれば良いのかは分かりませんが、
要するに、
あと7~8年はやめずに続けてくれるなら過度な期待も余計な心配もしなくて良いと。

長い前置きになってしまいましたが、
数年先の運命にハラハラしなくて良いという前提でインタビューを読むと、
この後の流れが非常にポジティブに受け取れるようになります。

ゲームビジネスをきちんと行なうのはもちろんなのですが、その上で、最近私が言っている「ノンゲーム」のサービス、コンテンツを充実させないといけないですよ、ということです。
これにより、ゲームからPS3に入っていただくお客様、ノンゲームからPS3に入ってくるお客様それぞれを、ダブルで満足させなければいけない、ということになります。

ぶっちゃけた話、俺がPS3を大喜びしながら活用している時間の7割はノンゲームであり、
DVD見たりBD見たり動画見たりCDやSACD聴いたりする時間が非常に長いのです。
ファームの更新もノンゲームであるAV機能の充実に狂喜乱舞していたりと、
発売当初よりノンゲーム分野での進化ばかりを享受してきていると言えます。
まいいつにしたってゲームとノンゲームの境界線は曖昧です。

要は、今までの流れを翻すような方針転換をしているわけでもないのに、
「ノンゲーム」という単語を用いてしまったために色々言われているだけな気がする。
取り上げやすい負のシンボルを作り上げた事は後々マイナスに響いたりしちゃいそうですが、
ノイズを気にせず地道に実績を積み重ねていくという事であれば納得できる話です。
さっぱり進まないHomeには「いつまでかかってんだ」と突っ込みたくなりますけども。

PSNで配信される動画コンテンツをPS3以外で購入し、
PSP以外のポータブルデバイスで楽しむといった計画も遡上に上がっていますが、
PC他のデバイスとPS系のハードで同一のサービスを提供するってのは、
MSがXboxで本来やろうとしていた事と重なって映ります。
これが上手くいくと「XboxはWindowsを中心としたホームエンタテインメント略」という
MSのお株を完全に奪う形になるので、ちと興味深く発展を見守って行きたいかなと。
いやこれかなり楽しみです。あとは配信業者を日本向けに増やしてくれる事を願います。

これは社内で話していることなのですが……。この業界は、「ハードを安くして、いかに台数を出していくか」にこだわってきました。どんどん値下げして、どんどん売っていく。この点に、そろそろ疑問を呈したいところです。

この辺はかなり苦しい。
色々あって趣味にかけられる金がどんどん減っている中、
真っ先に切り捨てられそうな「ゲーム機」という分野において、
他のハードとの価格差が大きくなりすぎてしまったらそりゃ売れねえだろとは。

他の業界の例でいえば、iPod。ゲーム業界の勢いで値段を下げていくなら、60GBとか80GBの商品が5,900円くらいになっていないとおかしいよね、という話になるじゃないですか。

それはiPodがデファクトスタンダードだから無茶な値下げをしなくて良いだけであって、
んなこと言ったらWiiは今頃16800円ぐらいになってしまっているのでは。
360が激しい値下げ策を取っているのもひとえにシェアを伸ばしたいからであって、
「そんなの気にしませんフフーン」ってのはPS3のポジション的には「向上心ゼロ」と取られても
仕方ないんじゃないでしょうか。

もちろん、これも「別にトップを目指さず、2年目の政策としてゆっくりやってます」という
安定感の元に行っている事であれば「良いんじゃないすか」と答える事が出来ます。
悠長にやってても良いって事なら構わないんですけど、ホントにそれが許されるのかしら。
後追い値下げぐらいはちゃんとしてかないと心配になります。

値段を維持して機能を上げたり、楽しんでいただけるサービスやコンテンツというものを充実していく。そういうやり方も考えなくてはいけないんじゃないか、ということを、私は感じています。

じゃあまず真っ先に削った機能を復活させようぜ。な?

今のPS3というのは、基本的にはゲーム機です。そうあるべきだし、重要なことなんですけれど、それであるがゆえに、「朝」はあんまりつかいませんよね。

一言で表すと「俺達もWiiみたいに使われたい」という事ではあるのですが、
これにプラスする形で各種ソニー製品のメディアセンターとして使えるようになれば、
総合的なデジタルライフの新たな選択肢としてPS3が重要な役割を果たすようになります。
フォーマットの制限等しがらみもたくさんありそうですけど、
進化の過程で他の製品ではあり得なかった自由な機能拡張を行ってきたSCEとPS3こそが、
独自規格で凝り固まったソニーの国内デバイス群を「オープン」に出来ると期待しています。

繰り返しになりますが、俺の言いたい事は一つです。

頼むから途中でやめんなよ!

我が道を貫きすぎて皆に見捨てられたりするとどうにもならないと思うので(例:セガ)、
協調しながらPS3らしさを輝かせてくれればと思います。
つか平井社長はもっと前傾姿勢でプランを語っても良いんじゃねえかなあ。